肝臓系 血液検査

アルブミンは肝臓機能をそのまま反映する重要な数値!低い時は要注意

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アルブミン値

普段は気にしていない値も、健康診断で異常値が指摘された途端に気になったり、焦ったり…そんな経験はありませんか?

さまざまな検査項目がありますが、今回はアルブミン値を上げる・下げるためにできることについてご紹介します。そもそもアルブミンって何なのでしょうか?アルブミンについても考えてみましょう。

アルブミンを増減させるには?

血液検査を受けて、「アルブミン値に異常がある」ことが分かった場合、正常値に戻す工夫や努力をする必要があります。
では、アルブミンを増減するためには、どういったことをすればよいのでしょうか?

アルブミン値が高いときに考えられること

アルブミン値が高い場合に考えられることは、脱水症です。意外にも、脱水症以外でアルブミンが上昇する疾患がないことから、原因が明らかになっています。
脱水により、血液に含まれる水分量が減少し、濃縮状態にあることでアルブミン値も高くなります。

さらに、アルブミン値が高いときは、尿素窒素やナトリウム、カリウムなども合わせて高くなるのが一般的です。
脱水症の主な症状は、喉の渇きや頭痛、吐き気、全身の倦怠感などです。

脱水症は、激しい運動をしたときだけでなく日常的に起こりうることからも、普段から意識的に水分を摂取して予防することが必要となります。

高齢者のアルブミン基準値低下に黄色信号!アルブミン低下の原因

アルブミン値が基準値よりも低い場合、考えられる原因は大きく分けて3つあります。
一つ目は「タンパク質不足」、二つ目は「肝機能の低下」、そして三つ目は「腎機能の低下」です。

さらに、高齢者は若年層より一層、アルブミンが低値となりやすいことが分かっています。
実際に、アルブミンの血液成分値と生存年数には密接な関わりがあり、「アルブミンの値が低い人はそうでない人と比較して生存率が低い」ことが分かっています。

アルブミン値の低下と、高齢者のアルブミン値低下の原因をそれぞれ順に見てみましょう。

高齢者のアルブミン値低下から起こりうる危険性

高齢者になると、臓器機能の低下やさまざまな疾病リスクが高まりますが、これにはアルブミン値の低下が密接に関係しています。

高齢者の方にとっては驚きの情報ですが、アルブミン値が低下することで、認知症の前段階である認知機能低下リスクが約2倍に上昇、さらには、日本3大死因とも言われる脳卒中、心臓病リスクが2,5倍に上昇する事が分かっています。

これは、そもそも老化により、肝臓におけるアルブミンをつくりだす機能自体が低下する上、食生活をはじめとする生活習慣などによってもこの肝臓機能低下が進み、結果的にアルブミンの低下が起こるというわけです。

タンパク質不足から考えられること

一つ目のタンパク質不足は、一般的に「栄養不足」とされる状態です。

元々私たち日本人は、肉食文化でないことから欧米諸国と比較するとタンパク質が不足しがちです。近年は、食生活の乱れや外食・ファーストフードの定着からさらに良質なタンパク質不足状態に陥りやすいのです。

特に高齢者の方は、加齢による食欲低下や、自分が食べたいものしか食べない、など食生活の偏りから肉や魚などのタンパク質の摂取量が不足しがちです。そのため、アルブミン低下に加えてさらには栄養不足状態に陥りやすくなっています。

アルブミン値不足を解消するためには以下のことを意識しましょう。

  • 1日3食バランスの良い食事
  • 肉や魚、卵などのタンパク質を意識的に摂取すること
  • さまざまな種類のタンパク質を摂り、偏りを解消すること(肉:魚は同率)
  • バターやマーガリンなどの油脂類を適度に摂取すること
  • 牛乳をコップ1杯(200ml)/1日飲むこと

これは高齢者に限らず、どの年代も共通して言えることです。

意識的に摂取すべきと言っても、肉や魚などのタンパク質ばかりを摂取していると、カロリーオーバーになる危険性もあります。
特に高齢者は運動量が少ないため、カロリーオーバー状態から、脂質の過剰摂取から疾病に繋がる危険性も否定できません。

ここでおすすめなのが、「大豆タンパク質」です。「畑の肉」とも言われる大豆には、豊富なタンパク質が含まれています。さらに、カロリーが低いため、高タンパク・低カロリーを実現した、魅力的な食材ということができます。

日本では納豆や豆腐などの食品から、味噌、醤油など調味料に至るまで、私たちの生活と密接な関係にある大豆であれば、カロリーを抑えながら、なおかつタンパク質不足を解消することにも役立ちます。
動物性タンパク質である肉や魚と、植物性タンパク質である大豆食品をうまく組み合わせた食事を意識すると健康促進・食生活の乱れを改善することに繋がります。

肝機能の低下

続いて二つ目の肝機能の低下は、肝臓の機能低下により、アルブミンを作る量が低下することです。アルブミンは肝臓で作られるため、肝臓と関係が深いことにも納得です。

肝機能が低下している場合、まず考えられるのはアルコールの過剰摂取です。日常的にアルコールを摂取している人や一回における摂取量が多い人は要注意です。

また、元々高血圧の人も、肝機能に大きな影響を及ぼすと言われており、特に中年層の内蔵脂肪を伴う高血圧はさらなる疾病を引き起こす原因にもなり得ます。

腎機能の低下

最後の腎機能低下は、腎機能が低下することが原因となっているものです。腎機能が低下することで、体にとって不要な老廃物と一緒に、本来であれば体にとって必要な栄養素まで体外に尿として排出してしまうことで、アルブミンも一緒に排出してしまうというものです。

腎機能の低下は、糖尿病や高血圧、肥満などが大きく関係しています。つまり、偏った食生活や過度の飲酒、喫煙や日々のストレスなどが腎機能を低下させる大きな要因となっています。
アルブミンが異常値を示している場合は、原因を突き止めると共に生活習慣の見直しも必要となります。

アルブミン値が低い時は原因を知ることが大切

アルブミンを高く・低くする方法についてご紹介しましたが、アルブミンの数値…と言われてもピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここではアルブミンについて見てみましょう。アルブミンとはいったい、何なのでしょうか?

アルブミンと肝臓の関係性

アルブミンとは、肝臓で作られるタンパク質のことを指します。タンパク質にもさまざまな種類がありますが、中でもアルブミンは主要なタンパク質であり、血液中を流れるタンパク質の約60%を占めています。

通常私たちが食事でタンパク質を摂取すると、体内でアミノ酸に消化され、その後吸収されて肝臓まで運ばれます。
肝臓に運ばれてきたアミノ酸を元に、アルブミンが作られるという流れです。

肝臓とは「沈黙の臓器」と言われるほど、症状を感じづらい臓器だと言われています。そのため、不調に気づいたときには既に状態が悪化しているという怖さがあります。

肝臓に何らかの異常が起こった場合、肝臓のアルブミンを作る能力が低下するため血液中のアルブミン値が低下します。つまり、アルブミン値に異常がある場合、肝臓の異常・疾病を疑うべき状態ということになります。
栄養状態の指標として用いられているのはそのためです。

アルブミン値が低下した場合に考えられる肝臓疾病は以下の通りです。

  • 肝ガン
  • 肝硬変
  • 劇症肝炎

その他、腎臓や腸管から尿中にアルブミンが放出してしまうネフローゼ症候群の可能性も考えられます。

アルブミン値が低いと、総蛋白値も低くなる

総蛋白とは、血液中に含まれるタンパク質の濃度のことをいい、この総蛋白の主な成分は、アルブミンとグロブリンです。そのため、アルブミン値が低い(高い)と、当然総蛋白値も比例して増減します。

総蛋白の基準値は6,7~8,3g/dLで、総蛋白値が異常値になると、アルブミンも同様低下します。正常時には4,0 g/dLのアルブミン値も、悪化すると2,0 g/dLになることも考えられます。(基準値とは、医学的に正常か異常かを判断するための目安です)

参考
総蛋白値
総蛋白は高くても低くても要注意!正常にするための改善法をご紹介します

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ただ、ここで一点注意しなければいけないことがあります。総蛋白は変化しやすい値です。

その証拠に、年齢により差はもちろんのこと、一般的に早朝は低く、夕方は高く。夏場は低く、冬場には高くなるという傾向もみられます。
さらには、採決時の姿勢も大きく関係することから、血液検査の度に数値に差がある人も少なくありません。検査結果で一喜一憂することなく、アルブミンをはじめとする他の値を元に判断する必要があります。

総蛋白が高い場合の原因と改善法とは?

総蛋白が高い場合に考えられる原因は、免疫に関係するγ―グロブリン(ガンマグロブリン)の増加です。

  • がん
  • 慢性肝炎
  • 骨髄腫
  • 自己免疫疾患
  • 慢性感染症
  • 膠原病

などが疑われる疾患です。

血液検査を受け、総蛋白やアルブミン値が高いことで、こういった疾病や症状が明らかになることも多いことから、検査の重要性が分かります。

アルブミンの働き

アルブミンが普段、どういった働きを担っているかご存知でしょうか。アルブミンの働きは、大きく分けて2種類あります。

一つ目は「浸透圧の維持」、二つ目は「運搬作用」です。

まず一つ目の「浸透圧の維持」ですが、私たちの体内は常に一定の水分量が保たれています。この水分量を保つ作用がここで言う、「浸透圧」の働きによるものです。

血管には、水などを通すために小さな穴が開いていますが、アルブミンはその小さな穴を通ることができません。血管内に入ることができないため、血管内部と外部のアルブミン濃度が異なるのです。その結果として、水は血管の外側から濃度の高い内側へと移り浸透圧が起こるというわけです。

二つ目の「運搬作用」ですが、アルブミンには他の物質と結合する性質があります。
そのため、カルシウムや脂肪酸、亜鉛、ホルモンなどと結合することで体内のあちらこちらへと運ばれていきます。

アルブミン値の基準

アルブミンの値は、g/dl(グラム・パー・デシリットル)という単位計測されます。

正常とされる基準値は4,0以上とされ、この基準値を下回る場合は栄養障害、上回る場合には脱水状態と判断されます。
高くても低くても、健康を損なっている状態だということが判断されます。

アルブミンが低いと、血圧低下やむくみなどの軽症から、脳梗塞や心筋梗塞など重篤化する疾病起こる可能性があることから、高い・低いどちらも避けるべき状態ということが分かります。

アルブミン/グロブリン比(A/G比)が高い場合に考えられること

アルブミンと同様、体内のタンパクの主となるものがグロブリンです。そのため、アルブミン/グロブリン比(A/G比)を血液検査で調べることで体内の状態を知ることや、疾病がある場合には重症度を判断することができます。

体に異常のない健康な人の場合、アルブミン:グロブリン=67%:33%の割合となり、基準とされる値は1,10~1,80とされています。
グロブリンには「α1―グロブリン」・「α2-グロブリン」・「β―グロブリン」「γ―グロブリン」の4種類がありますが、γ―グロブリンだけはリンパ節や脾臓などのリンパ球で生産されるため、増減が免疫システムに大きく関係しています。

ウイルス感染や外傷などにより体内で炎症が起こると、免疫システムが活性化されてグロブリン値が低下します。また、多発性骨髄腫(体内細胞のガン)の場合にも、グロブリン値は低値を示します。
反対に、免疫力が失われる無γ―グロブリン血症の場合には、グロブリンが不足してルブミン/グロブリン比(A/G比)が高値を示します。

健康状態を表すアルブミン値、正常にするために今できることを

アルブミンが健康状態を表していることからも、正常値を維持する重要性がお分かりいただけたのではないでしょうか。

大きな疾病以外にも、脱水症をはじめ、ダイエットや生活習慣の乱れなどが原因となり異常なアルブミン値を計測するとも考えられます。
さらには、高齢者は異常値になりやすく、大きな疾病や最悪の場合死に至ることも考えれることから、正常値に戻すために今できることをする必要があります。

健康は日々の積み重ねで手に入れることができるもの。だからこそ、毎日の暮らしから、アルブミンをはじめとする値の正常化を意識していきましょう!

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