1年あるいは数年に一度受ける健康診断の結果に怯えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
普段、体の中のことに関しては気に留めない生活を送りがちだからこそ、健康診断の結果で一喜一憂してしまうのも無理はありません。
それなのに、普段の生活に関しては無関心。それでは本当の健康は手に入れられません。
今回は数ある検査項目の中でも「AST・ALT」の数値が気になる方に読んでいただきたい、数値を下げるためにできることについてご紹介します。
この記事のもくじ
AST・ALTの数値が悪いときにすべきこと
AST・ALTの数値が悪い場合、それは肝機能に何らかの異常が起きていることを表しています。
では、このAST・ALTの数値が悪い場合にすべきこととは何でしょうか?
AST・ALTの数値が高い場合、生活習慣を振り返る
AST・ALTの数値が高い場合、まずは自身の生活を振り返ってみましょう。
- アルコールを過剰摂取していないか
- 肥満気味ではないか(体重の増加がないか)
- 最近服用しはじめた薬やサプリメントはないか
- 過度な運動をしていないか
肝臓の異常や負担が初期の場合、日常生活を振り返り、乱れを直すことで改善することができます。
アルコールの過剰摂取
AST・ALTの数値が高かった場合、まず考えられるのがアルコールの過剰摂取です。
それもそのはず、アルコールを摂取すると肝臓で分解・吸収されることから、アルコールと肝臓とは密接な関係にあります。
アルコールを過剰摂取することでまず生じるのが「脂肪肝」いわゆる肝臓の肥満です。さらに悪化すると、アルコール性肝炎、最終的には肝硬変になり、肝臓の機能が徐々に失われていきます。
もちろん適量を飲む分には問題ありません。ここで言う適量とは男性で1日40g、女性で1日20gです。アルコールの種類に関係なく、これ以上の量を習慣的に飲み続けた場合、アルコール摂取により生成した中性脂肪が肝臓内に蓄積され、肝機能の低下や肝細胞の壊死に繋がる危険性が考えられます。
そもそも私たち日本人は脂肪肝を抱えやすい体質と言われています。そのため、アルコール過剰摂取が習慣づくと、肝臓への負担がかかりやすいことも理由の一つです。
特にAST・ALT数値が高い方は、日常的にアルコール摂取をできるだけ控えることはもちろんのこと、最低でも週に2日程度の休肝日を設けましょう。
肥満の改善
肥満であることもまた、AST・ALT数値が高い一つの原因です。
慢性的な肥満でかつ運動不足、糖分・脂質の摂りすぎは、体内への過剰な蓄積に繋がります。特に砂糖は中性脂肪に変わりやすい特性があり、甘く冷たい飲み物の飲みすぎには注意が必要です。
揚げ物やジャンクフードなどの脂質の高いものはもちろん、お菓子やジュースの摂りすぎも控えましょう。
食生活に関していえば、「〇〇を食べれば大丈夫」というわけではなく、栄養バランスが重要です。忙しい毎日を送る現代人は食生活をおろそかにしがちです。バランスの摂れた食生活を意識することはもちろんですが、食生活自体に関しても見直す必要があります。
朝食を食べない、お昼はコンビニやファーストフード、夜は遅い時間帯に食事を摂る…。
こういった食生活の乱れは、肝臓はもちろんのこと、臓器が休まらず疲労が蓄積されて機能が低下します。
特に肝臓は症状が現れにくい臓器だからこそ、日々の積み重ねが重要となります。
生活習慣
肝臓とは一見、あまり関係がないように思える生活習慣もまた、少なからず悪影響を与えています。
その一つが喫煙です。AST・ALTと喫煙には実は深い関係があり、肝がんによる死亡者数100人のうち、28人は喫煙が直接的な原因です。
理由はタバコに含まれるニコチンにあります。喫煙することで、体内にニコチンを取り込みます。ニコチンは血液の流れを悪くする作用があり、血流が悪くなると、肝機能を維持することができず、機能不全の状態に陥ります。
喫煙習慣がある方はそうでない人に比べて注意が必要です。
日々感じているストレスも肝機能低下の原因となります。ストレスを脳が感じると、交感神経が強く働きます。すると血圧が上がり、血流悪化、さらには肝臓に運ばれる血液量が減少するため肝機能の低下に繋がります。
ストレスを感じない生活は困難ですが、ストレスを溜め込まずうまく付き合う方法を見つけることで対処しましょう。
過度な運動
適度な運動は健康の基本であり、取り入れることを奨励されていますが、過度になると肝臓に負担がかかることも考えられます。
日常的ではなくとも、検査前に激しい運動をすることで一時的に肝臓が疲労して数値が上昇します。
これは、過度な運動により筋肉が壊れ、それを修復しようとする働きが肝臓への負担となっているからです。
適度な運動であれば問題ないので、検査前には激しい運動は避け、安静を心がけましょう。
ウイルスへの感染
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど肝臓に関わるウイルスに感染している場合にも、肝機能障害が起こり、AST・ALTの数値が上昇することもあります。
ウイルス感染の場合、その数値上昇は著しく、炎症が進んでいる場合には200~300U/L、極悪期には500~1,000U/Lまで上昇することもあります。
最近では、肝炎ウイルスに対して効果のある薬もあるので、感染の有無を調べ、万が一感染していた場合にはいち早く治療を始める必要があります。
サプリメントで改善
オルニチンが配合されたサプリメントは、AST・ALTの数値改善に効果的です。
オルニチンとはしじみに含まれる成分で、「肝機能を改善する働き」や「肝臓に蓄積した脂肪を分解する働き」があります。
もちろん、しじみそのものを摂取することでも効果がありますが、実はオルニチンが多く含まれるとはいえ、「しじみ100g」に含まれるオルニチンの量はわずか15㎎程度。これでは足りませんよね。その上、しじみを毎日食事でとり続けるのは困難です。
その点サプリメントであれば負担をかけずに習慣として摂取することが可能です。
AST・ALT数値が高い方や肝臓機能に不安を感じている方に人気のサプリメントをご紹介します。
オルニパワーznプラス
オルニパワーZn プラスには、1日に必要なオルニチン量800㎎を1回で摂取することができます。さらに、亜鉛も12㎎配合で、肝臓の細胞修復を助ける効果を期待できます。
使われているしじみや牡蠣などの原材料は国産にこだわり、安心して摂取できる点も人気の理由と言えます。
レバニズムーL
肝機能改善に必要なしじみのオルニチン、肝臓の解毒分解作用を助ける牡蠣のタウリン、肝臓に酸素を運ぶ働きをするサメ肝油に含まれるスクワレン、3つの相互作用でより高い効果を発揮するレバニズムーLは、その成分を全て国内産にこだわり、習慣的に飲み続けられる安心感が人気の理由です。
大人だけでなく、子どもの成長にも必要な必須アミノ酸やビタミンB2、ビタミンEなど家族で摂取できるのも魅力の一つです。
肝パワーEプラス
販売から20年以上にわたり、多くの方に愛用される肝パワーEプラスは、約95%の方が満足の上繰り返し購入していることからもその効果を期待できます。
広島産牡蠣・長野産ジャンボにんにく・紀州産南高梅を使い、安心・安全を徹底的に追及して作られています。
肝機能を改善するだけでなく、疲労回復。健康促進効果も期待できます。
肝機能改善に効果的なツボって?
生活習慣の改善と並行して効果があるのが、ツボです。
実は、肝機能改善に効果的なツボがあります。
- 期門(きもん)
乳頭の真下と肋骨が交わる位置にある期門は、解毒機能効果や代謝機能効果、二日酔い予防などの効果がある。
肝臓に効果があるのは右側の乳頭だけなので注意。 - 太衛(たいしょう)
足の甲側、親指と人差し指の間にある太衛を親指で揉むように強く推す。疲労回復効果や二日酔い改善効果がある。 - 陽地(ようち)
中指と薬指から繋がる骨の延長線上、へこんだ部分にある陽地は、ゆっくり回すようにマッサージすると効果大。肝機能低下予防、ホルモンバランスを整える効果がある。 - 老宮(ろうきゅう)
手をグーに握ったとき、中指が当たる場所にある老宮は、手のひらを握ったり押すことで効果がある。肝機能改善効果や、ストレス性疲労改善効果、不眠改善効果がある。 - 肝兪(かんゆ)
背中の真ん中あたり、背骨の外側3~4センチに位置する肝兪は、古くから肝臓に効果があるツボとして知られていて、疲労回復効果や肝臓の調子を整える効果がある。
東洋医学では古くから治療として用いられるツボですが、場合によっては逆効果となることもあることから注意が必要です。
特に高齢者や妊婦、子どもなどがツボを押す場合には力加減に注意し、強い力で押しすぎないようにしましょう。
また、飲酒中や体調不良時、骨折や怪我などの外傷がある場合にはショック症状が現れる危険性があります。健康状態に不安があるときにはツボ刺激は避け、健康時に行うようにしましょう。
AST・ALTが高い場合に考えられること
AST・ALTが高い、つまり異常値だった場合に考えられることは肝機能の異常です。
そもそも肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど、異常があっても体の症状として表れにくい臓器です。これは、肝臓には痛みを感じる神経がないことも関係しています。
そのため、検査により異常が発見された場合、既に重篤な状態である危険性もあるため、早急な対応が求められます。
AST・ALT の違いって?
AST・ALTのいずれも肝機能の状態を表していますが、この2つの項目の違いを見てみまよう。
- AST…肝臓以外の臓器には存在しない。
- ALT…心筋などの筋肉や、赤血球の中にも存在する。
存在する箇所に違いがある分、ASTに異常があった場合に考えられる症状は急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝などがあるのに対し、ALTはそれらの疾病に加えて心筋梗塞や筋肉の広範囲にわたる障害などの可能性も考えられます。
そのため、通常AST・ALTは同時に調べ、2つの構成比で疑われる疾患を調べます。これを「AST/ALT比」と言います。
数値を下げる前に知っておくべき「AST・ALTとは何か」
数値が悪い、気になるから下げたい。そう思って実行に移す前にまずすべきことは、「その数値が悪い原因は何?そもそも、どんな状態を表しているの?」ということです。
自分の体の状態が分からなければ改善の仕様がありませんよね。
では、「AST・ALT」とはいったい何なのでしょうか?
AST・ALTを知る
AST・ALTとは、どちらも肝臓の細胞内に存在する酵素のことを指します。
正式名はASTをアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ALTをアラニンアミノトランスフェラーゼと言います。
ASTをGOT、ALTをGPTと記載されていることもあります。
酵素とは、体の中で行われるほとんどの化学反応の触媒となることからも、臓器や細胞が正常に機能するためには欠かすことができません。
AST・ALTの基準値ってどのくらい?
診断結果を見て数値だけで正常・異常を判断するには、基準値を知識として知っておく必要があります。
AST・ALTの測定には、U/Lという単位が用いられますが、AST・ALTの場合異常と言われるのは基準値よりも「高い」場合のみであって、基準値よりも「低い」(11~29程度)場合には問題ありません。
AST・ALTの基準値に関して言えば、各病院や検査機関などによって差はあるものの大まかに30U/L以下であれば基準値内と言われています。
数値が31U/Lを超えた場合、「保健指導範囲」、さらに51U/L以上になると「受診推奨範囲」となり、後日再検査あるいは精密検査が必要となる場合があります。
ちなみにここで行われる精密検査には、より詳しい肝機能検査を行うための採血や超音波検査、画像検査としてCT検査などが行われます。
超音波検査では、肝臓や胆のう、腎臓などを調べ、画像により炎症や出血、腫瘍などがないかをチェックします。
また、CT検査では、放射線を用いて超音波検査では分からない病気が分かることもあります。
いずれも安心を手に入れるために必要な検査です。
まとめ AST・ALT数値が高い!下げたいあなたに
数値が悪いと不安になりますが、「数値が悪いから、何かを始める」よりも、必要なのは日々の積み重ねです。肝臓に負担がかかるアルコール摂取を控えることはもちろん、肥満や食生活の改善などは続けることに意味があります。
数値が正常に戻ったからといって生活も元に戻していたのではなんの意味もありません。
肝臓は症状が体に出にくい臓器だからこそ、AST・ALT数値の異常値は体からのサインだと考え、早急に治療・改善を目指すことが健康への一番の近道です。
自分の体は自分で守る。これを機会に、生活を見直してみませんか?