歳を重ねるごとに、自分の体調の変化や健康診断上の数値にショックを受ける機会が増えるというもの。
中でも高血圧はさまざまな疾病や合併症を引き起こすことから、特に注意しなければいけないと言われています。
今回は、最近血圧が上がり気味…で気になる方必見!無理をせず血圧を下げるための生活習慣についてご紹介します。
この記事のもくじ
まずは日々の暮らしから血圧を下げる生活習慣が大切
血圧が高い、血圧を気にしている方が知りたいと思っているもの、それは血圧を下げるためにできることではないでしょうか。
血圧が高いからといって、いきなり薬に頼っていたのでは、薬の力にも限界があります。
だからこそ、「出来るだけ薬には頼りたくない。」そう思うでしょう。
問題なのは、高血圧の原因がどこにあるのか突き止め、日々の暮らしから血圧を下げる生活習慣を取り入れることです。
日々の生活習慣や努力で大半の高血圧を防ぐことができます。だからこそ、今できることを始めることが重要です。
私たちの生活の中で、血圧を下げるためにできる習慣にはどういったものがあるのでしょうか。
日本人の食生活から分かること
日々の生活は食生活から。わたしたちは日頃、口にするもので栄養だったり、エネルギーを摂取しているのですから、それは基本です。
中でも、血圧を下げる上で最も心がけたいのが塩分です。
実は、日本人は世界の国々の人々と比較しても塩分を取りすぎていると言われています。
考えてみると、日本古来の調味料である醤油や味噌・漬物などにも塩分が多く含まれています。
私たちはそれらを日常的に摂取していることからも、塩分摂取は避けられない環境にあると言えます。
1日あたりの塩分摂取量の目安は1日6gとされていますが、現代日本人の塩分摂取量は男性が11,4g・女性が9,8gと大幅にオーバーしています。
特に現代人は食事に加え、間食として口にするお菓子類にも塩分が含まれていることから、口にするものすべてを相対的にみて減塩に努める必要があります。
血圧を下げる食事と食材
血圧を下げる栄養素は大きく分けて3つ。
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
です。
これらは、高血圧予防・改善の3大栄養素とも言われています。
より詳しい食材を挙げると
- カリウム
ブロッコリー、パセリ、アボカド、ゴーヤ、キノコ類 - カルシウム
大豆、ピーナッツ、牛乳 - マグネシウム
玄米、ゴマ、ワカメなどの海藻類
です。
ただ、これらを意識的に摂取すれば血圧が下がる、かというと、それだけでは足りません。最も重要なことはバランスがとれていることです。
特に外食や加工品を口にすることが多い方は要注意です。
酢で血圧が下がるってホント?
さまざまな効果があると言われる酢ですが、酢の主成分である「酢酸」には、血圧を上昇させるホルモンを抑制する働きがあります。
毎日大さじ1の酢で血圧が下がると言われるほど。
ただ酢を飲むことももちろん効果的ですが、酢単体で飲むことに抵抗がある方は、食材や他の飲料と一緒に摂取する方法もおすすめです。
- 酢玉ねぎ
- 酢納豆
- 酢牛乳
SNSにも食べ方等がアップされています。
血圧を下げる効果がある食事をいろいろと探してたら、「酢納豆」ってのに出会った。
納豆にタレの代わりに酢を大さじ1でまぜまぜ。
最初は「酸っぱ!」と思ったけど二口目で違和感無くなり最後はハマッた!
毎晩食べる!#血圧 #酢納豆— 小野マサル (@d51oiwake) 2018年4月20日
さらに、酢には糖の吸収を穏やかにし、食後の血糖値上昇を抑制する働きもあります。
高血圧=糖尿病は密接な関係があるからこそ、酢で高血圧・糖尿病共に抑制することができれば、一石二鳥と言えるのではないでしょうか。
飲み物で血圧を下げる~飲み物ランキング~
血圧を下げるのは食べ物に限らず、飲み物にも効果を期待することができます。
でも、たくさん飲み物がある中で、どの飲み物が一番血圧を下げる効果があるの?と気になるところですよね。
血圧を下げる飲み物と、手軽に購入できる飲み物をランキング形式でご紹介します。
- お茶
お茶に含まれるカテキンには、血圧を下げる働きがある。そば茶に含まれるルチンには血流をスムーズにする働き、ドクダミ茶の原料であるドクダミには、血管の拡張や利尿作用があることから、茶葉によって効果はさまざま。 - 青汁
健康飲料と言われる青汁には血圧低下をもたらす野菜や果物が使用されている。加熱することなく生のまま液体状に加工されているので調理されたものよりも本来の栄養を摂取することができる。 - トマトジュース
カリウムが多く含んでいる。できるだけ塩分を含んでいないものを選ぶ。 - 牛乳
牛乳にはカルシウムが多く含まれているので血圧を下げる効果あり。ただ、飲みすぎるとお腹を壊す可能性があるので適量を飲むこと。
飲み物ランキング
「血圧が高めの方の健康緑茶」大正製薬
血圧が高めの人の血圧を改善し、正常な血圧を維持することを目的とした、機能性表示食品。
実験によると飲み始めてから1~2週間で効果がでることからも、即効性を期待することができる。
「胡麻麦茶」サントリー
コンビニやドラッグストアでも購入できる手軽さが魅力の胡麻麦茶は、有効成分ゴマペプチドが血管を収縮する酵素の働きを阻害する。
特定保健用食品。
「アミールS」カルピス
カルピスシリーズから、特定保健用食品として展開されているアミールSは、血圧上昇を抑えるラクトトリぺプチドにより、8週間で最大血圧12㎜Hg、最小血圧8mmHg程度の減少を期待できることが分かっている。
美味しく血圧を下げたい方にピッタリ。
忙しい毎日を送る中で、飲料であれば誰でもはじめることができます。
まずは、一定期間継続して飲むことが重要なのです。
簡単!サプリで血圧を下げる
食生活や飲み物、運動などで血圧を下げる努力は必要ですが、忙しい毎日を送る中で必ずしも理想通りに進むとは限りません。
でも、血圧を下げたい!と気にする方であれば、「何かしている」ことが安心材料になったりもします。
サプリの摂取は、「補助的役割」として、血圧を下げる手助けをしてくれる手軽な方法です。
サプリは、いうまでもなく薬ではありません。あくまで、血圧を下げる効果のある特定成分が濃縮された製品のことで、「補助」の役割として考える必要があります。
サプリを選ぶ際には
- 科学的に血圧を下げる効果があると認められた成分が濃縮されているものを選ぶ
- 続けて服用できるものを選ぶ
この2点が基本となります。
1つ目の、成分に関してはもちろんのこと、いくら良いサプリだったとしても、高額で継続して飲み続けられないようでは効果が表れるまで継続できない可能性もあります。
短期間でやめてしまう。これでは意味がありません。そのため、どのサプリを選ぶかが重要となります。
血圧を下げることを目的としたサプリメントに含まれている成分はこちら。
- DHA・EPA
- カリウム
- GABA
- ナットウキナーゼ
- サポニン
- ポリフェノール
- タウリン
- コエンザイムQ10
- にんにくエキス
- 亜鉛
- クエン酸
中でも特に注目したいのが、カリウムとGABAです。
食材についての章でご紹介したカリウムはもちろん、アミノ酸の一種であるGABAは、近年特に血圧を下げる効果のある成分として取り上げられています。
サプリを選ぶ際には、期待できる効果以外にもどういった成分が含まれているのかについてもよく確認してから選ぶことをおすすめします。
サプリを摂取すれば血圧が下がるわけではないものの、より血圧を下げる手助けをしてくれることは確かです。
血圧を下げるために取り入れるべき運動とは
血圧を下げるためには、適度な有酸素運動を1日30分以上毎日続けることが効果的だと言われています。
適度な有酸素運動は、運動中~後にかけて一時的に血圧が上がるものの、8週間以上続けて行うことで運動をしていない普段の血圧が下がることが研究からもわかっています。
ただ、ここで注意したいのが「適度な運動」であることです。つまり、いくら血圧を下げるためとはいえ、激しい運動をいきなり始めるのはNG。急激に血圧をあげることとなり、逆効果となります。
また、BMI値を下げるのも高血圧の予防にもなります。
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おすすめの運動とは?
血圧を下げるために効果的な運動は、ウォーキング・軽いジョギング・水中運動・自転車などです。
中でもウォーキングは、誰でも始められる運動法であり、有酸素運動の基本ともいえます。
必ずしも30分間続けなければいけないというわけではありません。10分×3回や、20分+10分といったように数回に分けても問題ありません。
運動の時間を取れないという方は、通勤・通学時に一駅前で降りて歩く…というのでもOK。
重要なことは、「(ほぼ)毎日続けること」です。
血圧を下げるストレッチは存在する?
運動重要ですが、急な運動は体への負担になることから、運動前には必ずストレッチで体をほぐし、温めることがポイントです。
ストレッチには、けがの予防効果や疲労回復効果があります。
実は、ストレッチにも、血圧下げる効果があるものがあります。
ゾンビ体操
- 姿勢を正して立つ
- お腹をへこませ、上半身はリラックスした状態
- つま先立ちで、小刻みにその場でジョギングをする
- 肩が動きに合わせて揺れるのを、意識的に揺らす
- 1分間続ける
- 1分後、クールダウンとして30秒間の足踏み
このセットを3回繰り返す。
クールダウンの際に、手先がジンジンしてれば、一酸化炭素が放出されている証拠です。
桃太郎体操
- 椅子に座り、屈みこむように両手で足首を掴むように背中を丸める
- 10秒間ほど体勢キープ
- その後、思いっきり両手足を広げ、ぶらぶらと手足を振る(桃太郎が桃から生まれたときをイメージ
ハンドグリップ法
- フェイスタオルを正方形に折り、指同士が触れない程度の大きさに巻く
- タオルを2分間軽く握る
- 1分間休憩
- 左右×2繰り返す
ストレッチをする際には、息を止めないこと、痛いと感じない程度にすること、伸ばす・動かす部位を意識することがより効果的にストレッチするポイントです。
決して無理をせず、その日の体調に合わせてストレッチを行いましょう。
ツボで血圧を下げる効果アリ?
東洋医学では古くから、さまざまな症状に応じたツボを刺激すると「気」や 「血液」の流れが改善されると言われてきました。
医学的根拠は明らかにされていないものの、血圧を下げる効果があるのであれば、試す価値があるのではないでしょうか。
降圧帯
耳の裏側上部にあるツボで、血圧を下げる効果を期待できる。
両耳の下圧帯を人差し指の腹で同時に刺激する。1度のツボ押しで30回程度。1日3度を目安に行う。
十宣
手の先にあるツボで、自律神経を整え、血圧を下げる効果を期待できる。
左右の指を合わせ、3秒ほど圧力をかけた状態をキープ。3秒かけて力を抜いていく。
足三里
ひざ小僧の指2本分外側、指4本分下側に位置するツボ。
血圧を下げたり、胃を丈夫にする、頭痛、鼻炎などさまざまな効果を期待できる。
回数制限はなく、「気持ち良い」と感じる程度に押すのがポイント。
風池
後頭部の首付け根と、両耳下を結び、指2本分程度内側にあるツボ。血圧を下げる、目の疲れや頭痛に効果があると言われている。
5秒かけて指で押し、5秒キープした後ゆっくり離す×5回繰り返す。
合谷
手の甲の親指と人差し指の間にあるツボで、血行改善、血圧を下げる効果を期待できる。
息を大きくはきながら、親指で3秒ほど押し、離す、を片手×5回繰り返す。
人迎
のどぼとけから指2本分外側にあるくぼみにあり、触れると脈動を感じる部分のツボ。
自律神経を整え、血圧を下げる効果を期待できる。
押すのではなく、温灸がおすすめ。(なお、手軽にできる温灸はドラッグストア等でも手に入れることができる。)
知っておきたい日本における高血圧症
「自分は高血圧じゃないから大丈夫。」あなたはそう思っていませんか?高血圧が無関係な人はおらず、誰しもに可能性のあるものです。
実は厚生労働省によると、日本には1,010万8,000人もの高血圧症患者がいると言われています。
しかもこれは病院や診療所など何らかの医療機関を受診している人から算出された人数であり、健康診断を受けていない人や日常的に医療機関を受診していない人の中にも高血圧の症状がある人がいることを考えると、さらに多くの患者数であることが予想されます。
高血圧は大きなリスク要因
高血圧は健康診断を受けたり、よほどの症状が出ない限り自分では気づきづらいことから、高血圧であっても気づかず放っておきがちです。
そのため、
- 動悸
- 息切れ
- 頭痛
- 頻尿
などの諸症状が表れたときには重篤化している場合が大半です。
悪化したり、他の疾病を引き起こす前に下げる治療や努力をしていれば、食い止めることができるにも関わらず気づきづらいからこそリスクとなります。気づかないうちに悪化することから、高血圧は「サイレントキラー」とも言われています。
日本人の死因として多いものを見てみると、
- がん
- 心疾患(心筋梗塞や狭心症)
- 肺炎
- 脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)
で、この中でも2の心疾患と4の脳血管疾患に関しては高血圧が大きなリスク要因となっています。
どちらも、発症すると命の危険が及ぶ重篤な症状である上に、万が一助かったとしても、半身まひや語彙障害などの後遺症が残る可能性があります。
その他疾病との関係
高血圧に関係するのは、上にあげたものだけではありません。
- 動脈硬化
動脈硬化が起こると、血圧が上昇し、腎機能の低下が起こる。最悪の場合、人工透析の必要性がある場合もある。 - 糖尿病
糖尿病=高血圧と位置づけされるほど密接な関係。 - 睡眠時無呼吸症候群
睡眠時に呼吸が止まることで、夜間に下がるはずの血圧が下がらず高血圧になる。 - 目への影響
高血圧によって、眼底の網膜血管が詰まり、視野が狭まる危険性も。
高血圧は体のあちらこちらに影響を及ぼす危険性があることからも、ハイリスクであることが分かります。
即効性を期待せず、血圧を下げる地道な努力が必要
高血圧は重篤化、他の疾病を引き起こすことが心配されますが、食生活や運動などはあくまで継続することで効果が表れるものであり、残念ながら「コレをしたらすぐに血圧が下がる!」と即効性を期待できるものはありません。
その反面、日頃からの習慣や予防次第で高血圧に悩まされない健康を手に入れられるともいえます。
だからこそ、自分の体質や日常生活を見直した上で、何ができるか、どうすれば血圧が下がるか、という地道な努力が必要と言えます。
肝心なのは日々の積み重ね!無理せず血圧を下げるためにできること
血圧を下げるためのさまざまな方法をご紹介しましたが、最も肝心なことは継続すること。
効果が表れたからといってすぐにやめてしまったのでは、またすぐに逆戻りしてしまいます。
血圧を下げる高血圧の予防は、数値を気にするだけでは足りません。健康な体づくりはもちろんのこと、重篤化の恐れがある病気の予防にも繋がります。
「今はまだ、血圧が高くないから大丈夫」と言って安心しきらず、生活習慣を見直して血圧を下げる(上げない)効果のある習慣を生活に少しずつ取り入れていきましょう。